セクハラに対する会社の対応

最近職場でのセクハラが話題になっていますが、女性社員からのセクハラの訴えに対して、会社側はどのように対応すればよいのでしょうか。

平成9年に改正された男女雇用機会均等法では、21条において、職場におけるセクシュアル・ハラスメント防止のために雇用管理上必要な配慮をすることが事業主に義務づけられました。セクシュアルハラスメントとは以下の2つに分類されます。

 

対価型セクシュアルハラスメント

性的な言動に対する女性労働者の対応により、その女性労働者が解雇、減給されるなど労働条件につき不利益を受けることをいいます。

  • 例)会社内において、事業主が女性労働者に対して性的な関係を要求したが、拒否されたため、その女性労働者を解雇すること。

 

環境型セクシュアルハラスメント

女性労働者の意に反する性的な言動により、女性労働者の就業環境が害され、仕事がしにくくなることをいいます。
 

  • 例)会社内において、女性労働者が胸や腰をたびたび触られるため、苦痛に感じて就業意欲が低下すること。

 

セクハラのない職場にするために事業主に義務付けられている事項

事業主の方針の明確化およびその周知・啓発

就業規則、掲示などでセクハラ行為を規定し防止を徹底

 

相談・苦情への対応

相談、苦情処理の窓口設置
事後の迅速かつ適切な対応

 

セクハラの事実が確認されたら、公正なルールのもと加害者への制裁を行いましょう。このセクハラ行為者への制裁については、就業規則に懲戒規定を含め明確に記載するべきです。また再発防止策の徹底と職場環境の見直しを行いましょう。セクハラになるかどうかの判断基準は、あくまでも相手側が不快だと感じるかどうかですので、いくら冗談だといったにしろ性的な言動は慎むべきです。

おばさん呼ばわりされた

職場で「おばさん」呼ばわりされて、困っています。何とか止めさせることはできないのでしょうか。

職場では「○○さん」「○○課長」などと呼ぶことが一般的ですが、女性のみに「○○ちゃん」などの呼び方は、セクシュアルハラスメントになる場合があります。姓名・役職名以外の呼び方については、あなた自身が不快に感じるかどうかで判断することになります。その結果、不快だと判断した場合にはきっぱり拒絶をしましょう。

 

まず「やめてほしい」とはっきり意思表示し、相手に誤解されない行動をとることが必要です。相手に嫌だと感じていること、行為を辞めなければ会社の相談窓口等に相談する意思があることを明確に示しましょう。

 

悪口、中傷する言動は、嫌悪や差別の感情に根ざして行われる場合と職務の遂行に関係して行われる場合がありますが、そのまま放置すれば、ますますエスカレートしますので早めに対応しましょう。そして悪口中傷する言葉は、突然に始まることはなく、以前に何らかの敵意、嫌がらせ理由又は会社側の意思があって始まります。その原因を追求してみましょう。

 

そして、 会社の相談窓口、労働組合、信用できる上司等、社内の人に相談しましょう。その場合個人的問題とはせずに、職場の問題として相談していることを示し、問題の解決へ向けて対処するように求めましょう。社内で相談したが、事態が改善されない場合、あるいは相談する相手が社内にいない場合は、公的な機関に相談して下さい。

会社にセクハラ相談窓口がない

会社にはセクシュアルハラスメントの相談窓口がありません。設置してもらうにはどうすればいいでしょうか。

平成9年の法律改正により、セクシュアルハラスメントについて新たに会社に対し雇用管理上の配慮が義務づけられました。そのため、会社は相談・苦情窓口を明確にしその内容や状況に応じ、適切かつ柔軟に対応しなければなりません。

 

会社が相談・苦情への窓口を明確にすることについて配慮をしていると認められる例としては、@相談・苦情に対する担当者をあらかじめ定めておくこと、A苦情処理制度を設けることがあげられます。また適切かつ柔軟に対応することについて配慮していると認められる例としては、@相談・苦情を受けた場合、人事部門との連携により円滑な対応を図ること、A相談・苦情への対応のためのマニュアルをあらかじめ作成し、これに基づき対応することがあげられます。

 

まずは、会社にセクシュアルハラスメントの窓口をつくるように申し入れをしましょう。それでも会社の対応がない場合、労働組合があれば労働組合に相談する。労働組合がなければ職場の仲間と協力し会社に申し入れをする。

 

会社は窓口を設け適切に対処する義務がありますので、相談・苦情処理窓口は、実質的に申し出がしやすいものであることが必要です。 申し入れる際には、担当者に同性を含める 、 相談の窓口を複数設置するなどしたり、相談の方法も面接に限定せず、電話や手紙、電子メール等でも対応する、 プライバシーが守られるような相談室の確保などについても工夫してもらえるよう十分に話し合いましょう。

セクハラを受け退職を余儀なくされた

職場の上司に性的な関係を強要されたり、事実無根の性的な情報を流されるなどのセクハラを受けたため抗議しましたが、会社側は何の対策改善もしてくれませんでした。周囲に対する誤解も解けず職場にいづらくなり、退職せざるをえませんでした。何らかの償いを求めたいのですが。

会社には、使用する労働者が職務遂行にあたって第三者に損害を与えた場合、損害賠償責任(使用者責任)が生じる場合があります。また加害者が会社の代表者である場合には、直ちに会社も不法行為責任(民法44条1項)を負うことになります。 さらに男女雇用機会均等法では、セクシュアルハラスメント防止のための会社の職場環境配慮義務を定めています。

 

また、会社には労働契約上の義務として、労働者のプライバシーが侵害されることがないように、および労働者がその意に反して退職することがないように職場環境を整備する義務があるとして、会社がこれを怠った場合の債務不履行責任(民法415条)を認めた裁判例があります。

 

加害者には、民事上の責任として不法行為による損害賠償責任(民法709条)が生じる場合があります。また刑事上の責任としても、「強制わいせつ」「傷害」「暴行」等の罪に問われる場合や、身体的接触を伴わない場合であっても、「名誉毀損」「侮辱」「脅迫」等の罪に問われる場合があります。

 

今回のようなケースの場合は、事実の確認が重要になってきますので、セクシュアルハラスメントを受けた日時、場所、内容、周囲の状況などを記録し整理しておきましょう。手紙・メール等が残っていれば保存しておいて下さい。

 

責任を追及する場合でも、誰に損害賠償を請求するのか(会社なのか、加害者本人なのか)、謝罪を求めるのか、会社に加害者の処分を求めるのかなど、様々な内容が考えられます。また解決方法として、当事者の話し合いで解決するか、あるいは直接裁判で争うのか等によっても、対応は異なってきます。

セクハラをしたと言われ解雇されそうだ

先日、上司に呼ばれ、「君がセクハラをしているという女性社員の訴えがあった。君を解雇する。」と言われました。私としては冗談が過ぎる部分はあったかも知れませんが、いきなり解雇は納得できません。どうすればいいのでしょうか。

セクハラを理由に解雇するためには、セクハラをしたことが解雇事由になることが、就業規則上規定されていなければなりません。ただし、「社員としてふさわしくない行為をしたとき」、「職場環境を悪化させた場合」等の一般規定が定められていてセクハラがそれに該当する場合には、具体的に定められていなくても処分の根拠として適用される場合があります。

 

懲戒解雇は懲戒処分の中で最も重い処分です。したがってセクハラしたことが事実であり、解雇事由となる旨の定めがあったとしても、あなたのしたセクハラが他の懲戒処分(譴責、減給、出勤停止等)ではなく、「解雇」されても仕方がない程に重大なものであったかどうかが問題となります。

 

まずは就業規則で、どのような事由が解雇事由になっているのか、また懲戒処分の種類と適用についてどのように定められているか確認してください。また、会社が処分を決定する際には、会社が事実関係を正確に把握しているのか、処分の手続は適正であるかが問題となります。客観的な事実の把握の為には、十分な弁明の機会を与える必要があります。事実関係を正確に把握した上で、どの処分に該当するかを判断しなければなりません。

 

今後の対応として、弁明の機会が与えれていなければ、その機会を要求することが考えられますし、処分が妥当であるかについて会社と話し合いを求める方法も考えられます。しかし、本当にセクハラ行為があったのであれば、何らかの処分を受けることは免れません。

 

セクハラになるかどうかの判断基準は、あくまでも相手側が不快だと感じるかどうかですので、いくら冗談だといったにしろ性的な言動は慎むべきです。あなたが十分に反省しこれから改めることを示して、会社とよく話し合うことが必要でしょう。

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