外国人関係

外国人関係

外国人の採用

私は中華料理店を経営していますが、今度中国から中国人の料理人を呼び寄せて、採用しようと考えています。その場合の注意点はどんなことでしょうか。

外国人が日本に入国して就労するためには、就業ビザを取得した上で入国許可を受けなければなりません。入国を許可された外国人は、付与された在留資格と在留期間に応じて就労することができます。付与された在留資格が許容する範囲を超えて、みだりに就労することは禁じられています。

 

日本に入国し在留する外国人は、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」といいます。)に基づき入国の際付与された在留資格に応じて定められた在留活動を、定められた期間に限って行うことが認められています。これを在留資格制度といいます。

 

入管法には、下記のような在留資格が定められています。

  • 外交、公用、教授、芸術、宗教、報道
  • 高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、技能実習、特定活動
  • 文化活動、短期滞在
  • 留学、就学、研修、家族滞在
  • 特定活動
  • 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者

 

以上の在留資格のうち、「文化活動」 「短期滞在」 「留学」 「就学」 「研修」 「家族滞在」の在留資格を付与されている外国人については、就労活動を行うことは認められていません。ただし、「留学」 「就学」の在留資格を付与されている留学生、就学生については、本来の活動を阻害しない範囲内で学費を補う目的をもってアルバイトする場合には、法務大臣の許可を受け就労することができます。

 

したがって外国人を採用しようとする場合には、その外国人の職種に該当する在留資格があるか否か、またその在留資格に該当するための入国審査基準をその外国人が満たしているかを確認する必要があります。

 

ご質問のような中国の料理人を採用する場合には、中国料理の調理について10年以上の実務経験を有するものであり、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けるのであれば、技能の在留資格と5年、3年、1年、3ヶ月の在留期間が認められます。

 

入国手続きとして、あなたが所轄の地方入国管理局に、採用しようとする外国人の在留資格認定証明書の申請をし証明書の交付を受け、本人がこの証明書を所持して、自国内にある日本の在外公館に査証申請し取得すれば早く本人を入国させることができます。

就労ができるかどうかの確認

外国人を採用しようと考えていますが、就労できるかどうかの確認はどうすれよいのでしょうか。

外国人労働者を雇い入れる場合には、就労が認められるかどうかを確認することが重要です。外国人は、出入国管理及び難民認定法(以下、「入管法」といいます。)で定められている在留資格の範囲内において日本国内での活動が認められています。

 

現在、在留資格は29種類ありますが、就労の可否でみると次の3種類に分けられます。

在留資格に定められた範囲で就労が認められている在留資格

  • 外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興業、技能、技能実習、特定技能(1号、2号)

 

就労活動に制限がない在留資格

  • 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者

 

特定の活動に限って認められる在留資格

  • 特定活動

原則として、就労が認められない在留資格

  • 文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在

※就労活動を行いたい場合には、出入国在留管理局で資格外活動の許可を申請し、許可を受けることが必要です。

 

外国人が、就労が認められる在留資格を持っているかどうかの確認は、外国人の在留資格や在留期間は、外国人登録証明書又は旅券(パスポート)面の上陸許可証印、就労資格証明書等により確認できます。また資格外活動の許可を得ているか否かについては、資格外活動許可書により確認できます。

外国人と労働法

外国人労働者を雇用する場合の労働関係法令の適用は、どのようになっていますか。

日本で就労する限りは、日本人、外国人を問わず、また、入管法上の合法、不法を問わず、原則として労働関係法令の適用があります。したがって、外国人を採用した場合に行う各種の手続きも日本人の場合と同様に行わなければなりません。

 

外国人労働者についても法定労働時間、法定休日の確保など適正な労働時間管理を行う必要があります。また賃金についても、原則として毎月1回以上、一定期日を定め、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければなりません。賃金の一部を控除して支払う場合には労使協定が必要です。

 

外国人労働者の旅券(パスポート)等については、入管法等により、外国人労働者本人が常時携帯することを義務づけられていますので、これらを事業主が保管してはなりません。また、外国人労働者が退職する際には、その労働者の権利に属する金品を返還してください。請求してから7日以内に、外国人労働者が出国する場合には、出国前に返還しましょう。

 

健康保険や厚生年金保険の加入についても、事業所に常時雇用されている者については、国籍を問わず、外国人労働者も加入の必要があります。