労働保険・社会保険

労働保険・社会保険

労働保険・社会保険とは

労働保険の種類

労災保険(労働者災害補償保険)

労働者の業務上や通勤による病気・けが・障害・死亡に対して保険給付を行います。労災保険は農林水産業の一部を除き、従業員を雇用するすべての事業所が加入を義務づけられています。保険料は全額事業主負担です。

 

雇用保険

雇用保険にはいくつかの役割があります。会社の退職・解雇・倒産などによる失業に対する給付、再就職を支援援助するための就職促進給付、能力開発に役立てるための教育訓練給付、高齢者や育児休業する女性の職業生活の円滑な継続を援助、促進するための雇用継続給付も設けれています。

 

また政府は雇用三事業(雇用安定事業・能力開発事業・雇用福祉事業)を行っており、その一つとして、事業主が失業を予防したり雇用管理の改善に取り組んだときに助成金が支給されます。原則として農林水産業の一部を除き、従業員を雇用しているすべての事業所が加入を義務づけられています。

労災保険の対象者

労災保険はほかの社会保険とは異なり「被保険者」という概念はありません。職業を問わず適用事業所に使用されるもので、労働の対償として賃金を支払われているものです。したがって、通常勤務する常用労働者以外に、次のような者もすべて適用を受けることになります。

  • パートタイマー(短時間労働者)
  • アルバイト
  • 臨時雇労働者
  • 日雇労働者
  • 外国人労働者(不法就労者も含む)
  • 海外出張中の労働者

なお、同居の親族は原則として労働者には該当しませんが、ただし同居の親族以外の労働者を使用する事業において、次の要件を満たす場合は適用されます。

  • 業務を行うにあたり、事業主の指揮命令にしたがっていることが明確であること
  • 就労の実態が他の労働者と同様で、賃金もこれに応じて支払われていること
  • 始業・就業の時刻、休憩時間、休日、賃金の計算方法、賃金の支払方法等が就業規則その他これに準ずるものに定めるところにより、他の労働者と同様の管理が行われていること。

法人の役員についても、事業主との間に使用従属関係があり、実質的に労働の対償として賃金を受けているような場合には、労働者とみなされて労災保険の適用を受けることになります。

雇用保険の被保険者となる人、ならない人

被保険者となる者

雇用保険の適用事業に雇用される労働者は、適用除外される者を除き全員被保険者となります。被保険者には次の4種類があります。

 

一般被保険者

高年齢被保険者、短期特例被保険者、日雇労働被保険者以外の雇用保険の被保険者です。

高年齢被保険者

65歳以上の被保険者であって、短期雇用特例被保険者又は日雇労働被保険者に該当しない被保険者です。

短期雇用特例被保険者

季節出稼労働者等の季節的に雇用される者や、または同一の事業主に引き続き被保険者として雇用される期間が1年未満である雇用に就くことを常態とする者です。なお、同一の事業主に引き続き1年以上雇用された場合は、1年以上雇用されるに至った日以降は、一般被保険者又は高年齢被保険者となります。

日雇労働被保険者

日雇労働者(日々雇用される者、または30日以内の期間を定めて雇用される者)であって、適用区域内に居住し、適用事業に雇用される者等の要件を満たす者

 

被保険者とならない者

1週間の所定労働時間が、同一の適用事業に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べ短く、かつ、30時間未満である者)であって、季節的に雇用される者、または短期の雇用に就くことを常態とする者。

  • 日雇労働被保険者に該当しない日雇労働者
  • 4ヶ月以内の期間を予定して行う季節的事業に雇用される者
  • 官公庁に雇用される方の一部

離職した場合に、他の法令、条例に基づき支給を受けるべき諸給与の内容が、雇用保険に規定する失業給付の内容を越えると認められる方であって、厚生労働省令に定める方。

 

同居の親族は、原則として被保険者にはなりません。法人の代表者と同居している親族は、形式的には法人であっても、実質的には代表者の個人事業と同様と認められる場合があり、この場合も同様に原則として被保険者になりません。家事使用人も被保険者にはなりません。

 

代表取締役や代表社員等は、被保険者にはなりません。取締役や合名会社・合資会社の役員であって、同時に支店長、工場長等の従業員としての身分を有する者は、労働者的性格が強く雇用関係があると認められるものに限り被保険者となります。監査役は、被保険者にはなりませんが、名目的に就任しているに過ぎず常態的に明確な雇用関係があれば被保険者になることがあります。

 

パートタイマーは事業所により就業形態は様々ですが、雇用保険では、1週間の所定労働時間が同一の適用事業場に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短く、かつ、40時間未満のものであって、次のいずれにも該当するする場合に限り、被保険者となります。
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること

 

昼間学生は、原則として被保険者になりませんが、卒業見込証明書を有し卒業前に就職し、卒業後も引き続き勤務することが予定されているような場合は、被保険者になります。臨時内職的に雇用される者は、賃金によって家計の主たる部分を賄わず、臨時内職的に就労するに過ぎない者は、被保険者とはなりません。